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リサイクルトナー・リサイクルインクの特許問題




キャノン鰍ニリサイクル・アシスト鰍フ最高裁の判決に関して

当店販売のリサイクルインクカートリッジ製造メーカーの見解

岡田 康男(エネックス株式会社 代表取締役)

平成19年11月8日、キャノン製インクタンクのリサイクル品の特許侵害事件の最高裁判決が言い渡されました。今回の判決によりキャノン社が勝訴し、敗訴したリサイクルアシスト社は、審理対象となったリサイクル品の輸入販売が継続できなくなることが確定しました。
当社では、リサイクルインクカートリッジ「ReJet(リジェット)」を日本国内にて製造・販売し、お客様に提供させて頂いております。お客様には当社リサイクル製品も同様に特許侵害品と認定されるのではないかと疑義を抱かれていると推測申し上げます。
当社はリサイクルインク事業参入時より他社の知的財産権に抵触しないリサイクル製品を開発し、提供させて頂いております。当社のリサイクルインクカートリッジは、材料として使用済みインクタンクを使用しておりますが、今回の訴訟の対象となったリサイクル・アシスト社の輸入商品とは製造方法および技術的背景が異なっており、キャノン社の特許には抵触しておりませんのでご安心ください。
尚、今回の最高裁判決により、当社「ReJet(リジェット) 」の販売の中止等をすることはありませんので、今後とも当社製品をご愛顧いただきますようお願い申し上げます。

(2007年11月9日)


プリンターのインク・特許と再利用、調和の方法

キャノン鰍ニリサイクルアシストのリサイクルインクの訴訟問題

益田 守 (弁理士、裁判所専門委員)知的財産権担当

最高裁はこのほど、パソコンなどに使うインクジェットプリンターのインクカートリッジについて、プリンターメーカーの純正品にインクを再注入したリサイクル品は、一定の判断基準を満たす場合には、プリンターメーカーの特許権を侵害するとの判決を言い渡した。
現在、自社製プリンター用に純正品のインクカートリッジを販売しているメーカーは、使用済みカートリッジにインクを再注入すればプリンターヘッドが目詰まりするなどとして、インクカートリッジは1回で使い切ることを推奨している。
しかし、インクカートリッジのリサイクル品や詰め替え用のインクは、プリンターメーカー以外の業者から販売され、さしたる支障もなく市場に出回っているのが実態だ。
最高裁判決それ自体について異論はないが、このまま多くのリサイクル品が違法な製品として市場から排除される自体を見過ごすことは、資源リサイクルの観点から問題がある。
憲法29条は、1項で財産権の不可侵性を宣言し、2項で財産権の内容は公共の福祉に適合するように法律で定めるとしている。
特許権もまた、技術の発達や産業の振興に有力な手段であるといっても、権利を行使する場合は、公共の福祉に反しないように留意して規定を解釈適用し、適切な施策を講じるべきである。特許制度は、資源リサイクルという公共的要請との調和を図るべき時期にきている。
そのための第一の方法は、リサイクル仕様の設計を進めることである。
選択用洗剤や調味料、化粧品など、容器の耐用期間に比べて中身の消費期間が短い商品では、メーカー自身が詰め替え用品を販売しているのが普通だ。こうした商品は省資源・循環型社会にマッチし、消費者からも支持されている。
そのビジネスモデルをふまえ、特許製品がこのたぐいのものである場合には、ユーザーが中身を詰め替えて再使用できるような設計をメーカー自身が積極的に行い、行政側もそれに強力に後押しするべきである。
特許法83条は、特許権者が特許を適切に実施していない、つまり特許製品を適切に製造販売していないときは、特許権者以外の者が特許を実施、つまり製品を製造販売することを認めるよう特許権者に求めることができ、協議ができなかったり成立しなかったりするときは、特許庁長官に裁定を請求できると規定する。
特許が埋もれたままになったり、特許製品が市場に十分に出回らず、価格が不当につり上げられたりするのを防ぐ趣旨で、運用上はもっぱら、製品の供給数量に重点が置かれている。
しかし、プリンターメーカーが十分な量のインクカートリッジを市場に供給していても、まだ使えるカートリッジを1回限りの使用に限定するのなら、資源の有効利用、環境負荷の軽減の見地から妥当ではない。
特許権者がリサイクル仕様の特許製品を設計しようとせず、リサイクルシステムを構築していない場合にも、裁定実施権制度によって、他の業者がリサイクル品を製造販売することを認めるべきである。
特許権者には、リサイクル品の業者から適切な対価が支払われている。それでも他の業者がかかわることを好まないのなら、特許権者自らリサイクル仕様の製品を設計し、リサイクルシステムを構築すれば良い。
公共的要請からの特許権行使の制限は、特許権者も受忍するべきである。

(朝日新聞2007年11月29日朝刊「opinion」の掲載記事より)


再利用認めず、利益優先とは

中学生 太田 哲平 (広島市東区 14歳)

プリンターやインクカートリッジのメーカーと、使い終えたカートリッジにインクを詰め替えたリサイクル品の販売会社が争っていた裁判で、「カートリッジの再利用は認められなくなった」という記事(2日)が載っていた。
カートリッジの再利用を認めないのは、特許を侵害するというのが理由だと書いてあった。またリサイクル品を売っている別の会社も別のメーカーから訴えられた。
なんということだ、と思った。石油資源は確実に減ってきている。それなのに、会社の利益のためにリサイクルを禁止するとは情けない。訴えられた別の会社の社長は、「少しでも安く、環境にいい製品を選びたいという消費者の選択肢を、メーカーの論理で狭めてはならない」といっていた。その通りだ。会社の利益よりも、未来のことを考えてほしいと私は思う。

(朝日新聞2007年11月27日朝刊「声」の掲載記事より)




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